車を運転する方なら、一度は三角表示板を見たことがあるのではないでしょうか。
しかし、「自分の車にも積んであるかな?」「そもそも三角表示板は必要なの?」と聞かれると、すぐに答えられない方もいるかもしれません。
結論からいうと、高速道路などで故障や事故によって車を停止させた場合には、後続車に停止していることを知らせるため、法令に従って停止表示器材を設置する必要があります。
ただし、必要なのは三角表示板だけではありません。
この記事では、三角表示板が必要になる場面や法律上のルール、車に備えておくべき理由について解説します。
普段はあまり使う機会のないものだからこそ、万が一の事態が起きる前に確認しておきましょう。
三角表示板は車に必要? まずは結論から
三角表示板は、車が故障などで停止した際に、後続車へ停止車両の存在を知らせるための器材です。
特に高速道路では、停止した車に後続車が気づくのが遅れると、追突事故につながる危険があります。
そのため、道路交通法では、高速自動車国道や自動車専用道路で自動車を運転できなくなり停止した場合に、停止表示器材を使って後続車に知らせることが定められています。
高速道路などで停止した場合は停止表示器材が必要
高速道路を走行しているとき、突然の故障やパンクなどによって車を動かせなくなる可能性があります。
そのような場合には、後続車に停止していることを知らせる必要があります。
道路交通法施行令第27条の6では、停止表示器材を後方から来る車の運転者が見やすい位置に置くことなどが定められています。
つまり、三角表示板は単に車に積んでおけばよいものではなく、必要な場面で正しく使用することが大切です。
なお、具体的な設置方法や安全確保については、周囲の交通状況を踏まえて対応する必要があります。
必要なのは三角表示板だけではない
「停止表示器材」と聞くと、赤い三角形の表示板を思い浮かべる方が多いと思います。
しかし、法令上の停止表示器材には、従来からある三角形の停止表示板だけでなく、一定の基準に適合した停止表示灯もあります。
停止表示板は反射材などによって停止車両の存在を知らせる器材で、停止表示灯は点滅する光によって知らせる器材です。
どちらも、定められた基準に適合していることが重要です。
「三角表示板がなければ対応できない」というわけではありません。
三角表示板と停止表示灯の違いについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
【内部リンク:B-1「三角表示板と停止表示灯の違いは? メリット・デメリットを比較」】
車に標準装備されているとは限らない
車を購入したとき、三角表示板も一緒に付いてきたと思っている方もいるかもしれません。
しかし、三角表示板がすべての車に標準装備されているとは限りません。
以前から同じ車に乗っている方でも、購入時に付属していたかどうかを覚えていないこともあるでしょう。
普段は使わないものなので、車内のどこに保管してあるのか分からなくなっている場合もあります。
まずは、自分の車に停止表示器材が積んであるか、一度確認してみることをおすすめします。
三角表示板が必要になるのはどんなとき?

それでは、実際にどのような場面で停止表示器材が必要になるのでしょうか。
高速道路で故障や事故により停止したとき
高速道路で車が故障したり、事故などによって動かせなくなったりした場合は、後続車に停止車両の存在を知らせる必要があります。
高速道路では、一般道路と比べて走行速度が高く、後続車が停止車両に気づいてから回避するまでの時間も限られます。
例えば、次のような場面が考えられます。
- エンジンの不調によって車が動かなくなった
- タイヤがパンクして走行できなくなった
- 事故によって車を停止させなければならなくなった
このようなとき、後続車に停止していることを知らせることは、追突事故の防止につながります。
ただし、停止表示器材を設置するために危険な場所へ無理に出ていくのは避けなければなりません。
まずは自分と同乗者の安全を確保し、可能な範囲で適切に対応することが重要です。
一般道路では状況によって対応が異なる
高速道路での停止と、一般道路での停止は、同じように考えられるわけではありません。
道路交通法施行令第27条の6が定める停止表示器材による表示義務は、高速自動車国道等で自動車を運転できなくなった場合を対象としています。
一方、一般道路では、停止した場所や時間帯、周囲の明るさなどによって、必要となる対応が異なります。
例えば、夜間に道路上で停車する場合には、車の灯火に関する別のルールも関係します。
そのため、「車が止まったら、どんな道路でも三角表示板を置けばよい」と単純に考えるのではなく、道路の種類や状況に応じて適切に対応することが大切です。
発炎筒と停止表示器材は役割が異なる
車に備えられている非常用品として、発炎筒を思い浮かべる方もいるでしょう。
発炎筒は、炎や光によって周囲に異常を知らせるためのものです。
一方、停止表示板や停止表示灯は、停止している車両の存在を後続車に知らせるための停止表示器材です。
それぞれ役割が異なるため、発炎筒を持っているから停止表示器材は必要ない、というわけではありません。
車に非常用品が備わっている場合でも、それぞれ何のために使うものなのかを理解しておきましょう。
三角表示板を持っていないと違反になる?
三角表示板について調べていると、「持っていないと違反になるの?」という疑問を持つ方もいると思います。
ここで大切なのは、停止表示器材を車に積んでおくことと、必要な場面で実際に使用することを区別することです。
携行することと、停止時に設置することを区別する
道路交通法第75条の11第1項では、高速自動車国道等で自動車を運転できなくなった場合の措置について定められています。
また、道路交通法施行令第27条の6では、その際に使用する停止表示器材や表示方法について定められています。
つまり、重要なのは、必要な場面で法令に従った停止表示を行うことです。
三角表示板を車に積んでいるだけで、必要なときに使用しなければ、停止表示の対応をしたことにはなりません。
反対に、三角表示板以外にも、法令の基準に適合する停止表示灯という選択肢があります。
なお、携行の有無と停止時の義務は同じものではありません。具体的な法令の適用については、道路交通法や関係法令の条文を確認することが大切です。
停止表示器材を使う場面と法令上のルールを確認する
停止表示器材は、どのような製品でも自由に使えるわけではありません。
道路交通法施行規則では、停止表示板や停止表示灯について、形状や視認性、灯光の色などの基準が定められています。
そのため、停止表示灯を選ぶ場合も、単に光る製品であればよいというわけではなく、停止表示器材として必要な基準に適合しているかを確認することが重要です。
購入を検討する際には、商品の説明だけでなく、適合表示やメーカーの公式情報も確認しましょう。
自分の車に三角表示板があるか確認しよう

ここまで読んで、「そういえば、自分の車には積んであったかな?」と思った方もいるかもしれません。
万が一の事態が起きてから探すのではなく、普段から確認しておくことが大切です。
車の収納スペースを確認する
まずは、自分の車の収納スペースを確認してみましょう。
三角表示板などの非常用品は、車種や購入時の状況によって保管場所が異なります。
例えば、次のような場所を確認してみてください。
- トランクや荷室の収納スペース
- ラゲッジボードの下
- 工具やジャッキなどを収納している場所
- 車載用品をまとめているケース
ただし、これらはあくまで確認場所の例です。必ずこの場所にあるというわけではないので、車の取扱説明書なども参考にしてください。
見つからない場合は、搭載状況を確認する
車内を確認しても見つからない場合は、そもそも購入時から積んでいなかった可能性もあります。
家族で複数の車を使用している場合には、車ごとに搭載状況を確認しておくと安心です。
「自分の車にはあるけれど、家族の車にはない」ということも考えられます。
普段は使わないものだからこそ、一度確認しておくことに意味があります。
いざというときに取り出せる場所に保管する
停止表示器材を積んでいても、荷物の奥に埋もれてしまい、すぐに取り出せなければ使いにくくなります。
車内の収納スペースを考えながら、必要なときに取り出せる場所に保管しておきましょう。
ただし、停止表示器材を設置する際には、自分や同乗者が危険にさらされないようにすることが最優先です。
高速道路などで故障した場合の具体的な対応については、別の記事で詳しく解説しています。
【内部リンク:A-3「高速道路で車が故障したらどうする? 停止表示器材と避難の手順」】
三角表示板以外の選択肢も知っておこう

三角表示板が必要になる場面や、車に備えておく理由が分かったところで、もう一つ知っておきたいことがあります。
それは、停止表示器材には三角表示板以外の選択肢もあるということです。
停止表示灯という器材もある
停止表示灯は、点滅する光によって停止している車両の存在を知らせるための器材です。
一定の基準を満たした停止表示灯は、法令上の停止表示器材として位置づけられています。
三角表示板とは構造が異なり、製品によって大きさや設置方法などにも違いがあります。
ただし、停止表示灯であればどの製品でも使用できるわけではありません。購入する際には、停止表示器材としての基準への適合を確認する必要があります。
自分に合う器材を選ぶには、違いを理解することが大切
三角表示板と停止表示灯には、それぞれ異なる特徴があります。
どちらを選ぶか考える際には、保管のしやすさや設置方法、製品の仕様などを確認するとよいでしょう。
すでに三角表示板を持っている方も、すぐに買い替える必要があるとは限りません。
まずは自分の車に何が備わっているかを確認し、必要に応じて選択肢を検討することが大切です。
三角表示板と停止表示灯の違いや、それぞれのメリット・デメリットについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
【内部リンク:B-1「三角表示板と停止表示灯の違いは? メリット・デメリットを比較」】
まとめ|まずは自分の車の備えを確認しよう
三角表示板は、車が故障などで停止した際に、後続車へ停止車両の存在を知らせるための器材です。
特に高速道路などで車を動かせなくなった場合には、法令に従って停止表示器材を設置する必要があります。
今回の記事のポイントを振り返ると、次のとおりです。
- 高速道路などで故障・事故により停止した場合には、停止表示器材による表示が必要になる
- 三角表示板がすべての車に標準装備されているとは限らない
- 停止表示板だけでなく、一定の基準に適合した停止表示灯もある
- 万が一の事態が起きる前に、自分の車の搭載状況を確認しておくことが大切
普段は使う機会が少ないものだからこそ、確認を後回しにしてしまいがちです。
しかし、故障や事故は、いつ起きるか分かりません。
まずは、自分の車に停止表示器材が積んであるか、一度確認してみてください。
そして、三角表示板と停止表示灯の違いについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
【内部リンク:B-1「三角表示板と停止表示灯の違いは? メリット・デメリットを比較」】
参考情報
- 道路交通法第75条の11第1項
- 道路交通法施行令第27条の6
- 道路交通法施行規則第9条の17・第9条の18
※この記事は一般的な情報提供を目的としています。法令の適用や緊急時の対応については、最新の法令・公的機関の案内をご確認ください。

