のこぎりの種類を一覧で徹底解説|名前・用途が一目で分かる

のこぎりは一見するとどれも同じように見えますが、実際には種類・用途・刃の形状の違いによって、切れ味や作業効率、さらには仕上がりの美しさや安全性まで大きく変わります。
正しい種類を選べているかどうかで、作業のしやすさは驚くほど差が出ます。
「DIYで木材が思うように切れない」
「庭木を切ったら刃がすぐ詰まってしまった」
「のこぎりの種類が多すぎて、結局どれを選べばいいのか分からない」
こうした悩みは決して珍しいものではありません。
そしてその多くは、作業内容に合っていない種類や刃ののこぎりを選んでしまっていることが原因です。
道具そのものが悪いのではなく、選び方を間違えているだけというケースがほとんどなのです。
この記事では、
のこぎり選びで迷わないために、
・のこぎりの種類を一覧で分かりやすく整理し
・それぞれの名前や用途、刃の違いを丁寧に解説
・初心者でも失敗しにくい選び方の考え方
を、実際に道具選びの相談を受けることの多い金物店の視点からまとめました。
これから初めてのこぎりを選ぶ方はもちろん、「今使っているのこぎりが本当に合っているのか不安」という方にも、判断の基準として役立つ内容になっています。
のこぎりの種類一覧【用途別・早見表】
のこぎり選びで迷ってしまう一番の理由は、種類が多く、違いが分かりにくいことにあります。
名称だけを見ても用途が想像しにくく、何となく選んでしまう方も少なくありません。
そこでまずは、実際によく使われている代表的なのこぎりを、用途・刃の特徴・向いている人という視点で一覧表にまとめました。
細かい専門分類に入る前に、全体像を把握するための早見表として見てください。
*まずは「主な用途」と「向いている人」を中心に見てみてください。
| 種類名 | 主な用途 | 刃の特徴 | 向いている人 |
| 両刃のこぎり | 木材全般 | 縦挽き刃+横挽き刃 | 初心者〜プロ |
| 片刃のこぎり | 建築・造作 | 切断精度が高い | 職人 |
| 折込のこぎり | 剪定・携帯用 | 生木向きが多い | DIY・庭仕事 |
| 替刃式のこぎり | 作業全般 | 刃交換が可能 | コスパ重視 |
| 胴付のこぎり | 精密加工 | 背金付きで直進性◎ | 木工 |
この表を見ることで、
・自分の作業内容はどの用途に当てはまるのか
・どの種類が近いのか
・初心者向けか、慣れた人向けか
といった大まかな方向性がすぐにつかめます。
のこぎりにはさらに細かな種類や名称もありますが、最初からすべてを覚える必要はありません。
まずはこの5つの基本的な種類を押さえておけば、用途とかけ離れたのこぎりを選んでしまうリスクは大きく減ります。
このあと、それぞれの種類について
特徴・向いている作業・選ぶときの注意点を順番に詳しく解説していきます。
のこぎりの主な種類と名前を詳しく解説

両刃のこぎり

日本で最も一般的に使われているのが、両刃のこぎりです。
1本の刃に2種類の刃が付いているのが最大の特徴で、用途に応じて刃を使い分けることができます。
・縦挽き刃:木目に沿って切るための刃
・横挽き刃:木目を断ち切るための刃
この構造により、材料や切る方向を選ばず作業できるため、DIY・日曜大工・建築現場まで幅広いシーンで活躍します。
特別な知識がなくても扱いやすく、「まずは1本持つならどれがいいか」と聞かれた場合に最もおすすめしやすい種類が両刃のこぎりです。
片刃のこぎり
片刃のこぎりは、その名の通り片側にのみ刃が付いた構造ののこぎりです。
刃のブレが少なく、切断精度が高いため、まっすぐ正確に切りたい作業に向いています。
主に、
・建築作業
・造作
・仕上げ作業
など、精度が求められる現場で使用されます。
一方で、刃の使い分けができない分、材料や切り方を意識する必要があり、扱いにはやや慣れが必要です。
そのため、主にプロ向けののこぎりとして使われています。
折込のこぎり

折込のこぎりは、刃を柄の中に折りたたんで収納できるタイプののこぎりです。
持ち運びや保管がしやすく、安全性が高いのが特徴です。
・庭木の剪定
・生木の切断
・屋外での作業や携帯用途
に向いており、生木専用刃が採用されている製品が多く見られます。
剪定作業はもちろん、DIYやアウトドアなど幅広い用途で使えるため、「屋外作業用の1本」として選ばれることも多い種類です。
替刃式のこぎり
替刃式のこぎりは、刃が切れなくなった際に替刃だけを交換できる構造になっています。
・切れ味を常に保ちやすい
・長期的に見てコストを抑えられる
・用途ごとに刃を使い分けられる
といったメリットがあり、作業効率を重視する方に向いています。
刃の交換も比較的簡単なものが多く、最近ではプロだけでなく、一般ユーザーにも広く使われる主流のタイプになりつつあります。
胴付のこぎり
胴付のこぎりは、刃の背に「背金(どうがね)」と呼ばれる金属が付いたのこぎりです。
この背金によって刃がしなりにくくなり、まっすぐ正確に切れるのが最大の特徴です。
・木工
・組子
・細工
など、高い精度が求められる作業に適しています。
一方で、背金がある分、深く切り込む作業には向かないため、用途を限定して使うのが基本です。
仕上がりを重視する場面で力を発揮する、専門性の高いのこぎりといえます。
のこぎりは「刃の違い」で切れ味が決まる
刃の目の粗さ(ピッチ)
のこぎりの切れ味や作業のしやすさを大きく左右するのが、「刃の目の粗さ(ピッチ)」です。
ピッチとは、刃と刃の間隔のことで、この違いによって切断スピードや仕上がりが変わります。
・荒目:刃と刃の間隔が広く、木くずの排出が良いため、切断スピードを重視したい作業に向いています。
その反面、切り口はやや粗くなりやすく、主に下地材やスピード重視の作業で使われます。
・細目:刃の間隔が細かく、木材を少しずつ削るため、切断に時間はかかりますが、切り口がきれいに仕上がります。
仕上げ作業や見た目を重視した加工に向いています。
このように、
「早く切りたいのか」
「きれいに仕上げたいのか」
によって、適した刃の目の粗さは異なります。
作業内容に合ったピッチを選ぶことで、無駄な力を使わず、ストレスなく作業できるようになります。
縦挽き刃と横挽き刃の違い
のこぎりの刃には、切る方向に合わせて役割の異なる2つの刃があります。
この違いを理解しておくことで、切断時の力の入り方や作業のしやすさが大きく変わります。
・縦挽き刃:木目に沿って木材を裂くように切るための刃です。
繊維の流れに沿って進むため、比較的軽い力で切り進めやすく、長さ方向のカットや、材料を割くような作業に向いています。
・横挽き刃:木目を断ち切るように切断するための刃です。
木の繊維を一本一本切りながら進むため、正確な寸法で切りたい場面や、切り口のきれいさを求める作業に適しています。
このように、縦挽きと横挽きでは
切り進み方も、必要な力も、仕上がりも異なります。
両刃のこぎりが「万能」と言われる理由は、この縦挽き刃と横挽き刃の2種類を1本で使い分けられる点にあります。
切る方向に合わせて刃を選ぶだけで、無理なくスムーズに作業できるのが大きなメリットです。
生木用・乾燥材用の刃の違い
のこぎりの刃は、切る素材が生木か乾燥材かによって、適した形状が大きく異なります。
この違いを理解せずに使うと、「力を入れても進まない」「すぐ詰まる」といった不満につながりやすくなります。
・生木用の刃:生木は水分を多く含み、切断時にヤニや木くずが出やすいのが特徴です。
そのため、生木用の刃は刃の間隔が広めに設計され、木くずやヤニが溜まりにくく、目詰まりしにくい構造になっています。
剪定や伐採など、屋外作業で安定した切れ味を発揮します。
・乾燥材用の刃:乾燥材は水分が抜けて硬くなっているため、切断時には精度と切り口の美しさが重視されます。
刃は細かく、木材を丁寧に断ち切る構造になっており、建築材やDIYでの加工に向いています。
このように、生木と乾燥材では
刃に求められる役割がまったく違います。
特に注意したいのが、剪定作業で乾燥材用ののこぎりを使ってしまうケースです。
ヤニで刃がすぐに詰まり、「驚くほど切れない」「力ばかり必要になる」という状態になりやすくなります。
素材に合った刃を選ぶだけで、作業の軽さ・安全性・仕上がりは大きく変わります。
用途別|どの種類ののこぎりを選ぶべき?

DIY・日曜大工
DIYや日曜大工で使う場合は、
両刃のこぎりか替刃式のこぎりを選んでおけば、ほとんどの作業に対応できます。
両刃のこぎりは、縦挽き・横挽きの両方を1本で使い分けられるため、木材のカットや簡単な加工など、幅広い作業に向いています。
また、替刃式のこぎりであれば、切れ味が落ちても刃だけを交換できるため、初めての方でも扱いやすく、長く使えるのがメリットです。
👉 まずはこの2種類から選べばOKです。
庭木の剪定・生木切断
庭木の剪定や生木の切断には、
折込のこぎりや生木専用刃が適しています。
折込のこぎりは、刃を折りたたんで収納できるため、剪定作業中の持ち運びや安全面に優れているのが特徴です。
脚立の昇り降りや屋外作業でも扱いやすく、初心者でも安心して使えます。
また、生木専用刃はヤニや木くずが詰まりにくい構造のため、切断時に引っかかりにくく、軽い力でスムーズに切り進められるのが大きなメリットです。
👉 切れ味・作業効率・安全性のすべてで差が出ます。
建築・プロ用途
建築や造作など、精度が求められる現場では、
片刃のこぎりや替刃式の高精度モデルが使われます。
片刃のこぎりは刃のブレが少なく、墨線に沿ってまっすぐ切りやすいため、仕上がりの美しさを重視する作業に向いています。
また、替刃式の高精度モデルであれば、切れ味を常に安定させやすく、作業内容に応じて刃を使い分けることも可能です。
👉 作業効率と仕上がりを重視するプロ向けの選択肢です。
よくある質問(FAQ)
のこぎりは1本あれば十分ですか?
用途が限られていれば1本でも可能ですが、
木材用と生木用は分けるのがおすすめです。
特にDIYと庭木の剪定を両方行う場合、刃の種類が合わないと切れ味が大きく落ちてしまいます。
初心者が最初に買うなら?
初心者の方には、
両刃タイプ、もしくは替刃式ののこぎりが無難です。
用途の幅が広く、切れ味が落ちても対応しやすいため、最初の1本として失敗しにくい選択肢です。
高いのこぎりと安いのこぎりの違いは?
主な違いは、
刃の精度・耐久性・交換のしやすさにあります。
高価なモデルほど切断時のブレが少なく、作業効率や仕上がりに差が出やすくなります。
まとめ|のこぎりは「種類・用途・刃」で選ぶ
のこぎり選びで迷ったときは、まず 「どんな種類があるのか」 を知り、次に 「何に使うのか」 を明確にすることが大切です。
そのうえで、刃の違い(木材用・生木用) を理解するだけで、のこぎり選びの失敗はほぼなくなります。
まずは、自分が「DIYなのか」「剪定なのか」「精度重視なのか」を整理し、本記事の一覧と用途別解説を照らし合わせて選んでみてください。
### 次に詳しく解説する内容
本記事では、のこぎりの「種類」を中心に解説しましたが、
それぞれの種類については、別記事でさらに詳しく解説していきます。
– 両刃のこぎりの特徴と選び方
– 生木用のこぎりの選び方と注意点
– 替刃式のこぎりのメリット・デメリット
※ 各記事は公開次第、この記事からリンクしていきます。








