のこぎりは、DIYや家庭作業から仕事の現場まで幅広く使われる身近な工具です。
しかしその一方で、

・両刃と片刃は何が違うのか

・縦挽き・横挽きとはどういう意味なのか

・DIY用と大工用は何を基準に分けられているのか

といった疑問を持ちながら、
「種類が多すぎて結局よく分からない」と感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、そうした疑問を整理しながら、「用途」「切る素材」「刃の構造」という3つの視点で、のこぎりの種類を一覧で分かりやすく解説していきます。

のこぎりが分かりにくい最大の理由は、用途・刃の仕組み・構造といった“本来別々に整理すべき視点”が、一緒くたに説明されていることにあります。
その結果、調べれば調べるほど混乱してしまうケースも少なくありません。

細かな選び方や、用途・素材・刃の構造ごとの詳しい違いについては、それぞれ専門の記事で深掘りします。
ここでは、
「どんな種類があり、どう考えれば迷わないのか」を把握することを目的としています。

「のこぎりの種類を一度きちんと整理して理解したい」
そんな方に向けた、全体ガイドとして読み進めてみてください。

 

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のこぎりの種類は「分け方」を知ると一気に分かりやすくなる

のこぎりの種類を用途・素材・刃の構造の3つの視点で整理した図

のこぎりの種類を調べていて混乱してしまう原因は、
「種類が多いから」ではありません。
分け方の違う情報を、同じ基準で覚えようとしてしまうことが原因です。

たとえば、見た目の名前、用途、刃の特徴などを一度に理解しようとすると、どうしても情報が頭の中でごちゃ混ぜになってしまいます。

のこぎりは、次のように視点を分けて考えることで、一気に整理しやすくなります。

・どんな作業で使うのか(用途)
─ DIYなのか、仕事なのか、園芸なのか

・どんな仕組みで切れるのか(刃の基礎構造)
─ 縦挽き・横挽きといった「切れ方の違い」

・刃や本体がどう作られているか(形状・構造)
─ 両刃・片刃、替刃式などの設計の違い

この3つは似ているようで、本来は別々に整理すべき視点です。
それぞれを切り分けて理解することで、
「結局どののこぎりを選べばいいのか」も自然と見えてきます。

次の章からは、まず「用途」という最も分かりやすい視点から、のこぎりの種類を整理していきます。

 

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用途別に見る のこぎりの種類

用途別に見るのこぎりの使われ方(DIY・大工仕事・剪定)のイメージ図

DIY・家庭作業で使われるのこぎり

DIYや家庭作業で使われるのこぎりは、
「幅広い作業に対応できること」と「扱いやすさ」が最も重視されます。

日常的に使う工具ではないため、

・作業内容がある程度変わっても対応できること

・初心者でも扱いやすく、失敗しにくいこと

・保管や持ち運びがしやすいこと

といった点が重要になります。

そのため、DIY・家庭向けとして選ばれることが多いのは、次のようなのこぎりです。

・万能タイプののこぎり
─ 特定の作業に特化せず、木材カットなどを幅広くこなせるもの

・折込式など収納性を重視したタイプ
─ 使わないときも安全に保管できる

・軽量で取り回しの良いモデル
─ 長時間使わなくても疲れにくい設計

家具の簡単な加工や木材の切断など、使用頻度はそれほど高くないものの、失敗は避けたい
という場面で活躍するのが、DIY・家庭作業向けののこぎりの特徴です。

建築・大工仕事で使われるのこぎり

建築や大工仕事で使われるのこぎりは、
「作業内容が明確であること」を前提に選ばれるのが大きな特徴です。

現場では、

・切る材料や寸法が決まっている

・同じ作業を繰り返し行う

・精度や仕上がりがそのまま品質に影響する

といった条件のもとで作業が進みます。
そのため、1本で何でもこなす道具よりも、特定の工程に最適化されたのこぎりが使われます。

たとえば、

・正確な寸法で切るためのもの

・作業スピードを重視したもの

・切断後の仕上がりを重視し、切断面がきれいに出るよう設計されたもの

など、目的に応じて使い分けるのが一般的です。

DIYや家庭作業向けののこぎりと比べると、扱いやすさよりも 精度・効率・再現性 が重視される点が、建築・大工仕事向けのこぎりの大きな違いと言えるでしょう。

園芸・剪定作業で使われるのこぎり

園芸や剪定作業で使われるのこぎりは、乾燥した木材を加工する木工用ののこぎりとは、用途も設計思想も大きく異なります。

主に生木や枝を切ることを前提としているため、

・水分を多く含んだ生木・枝をスムーズに切れる専用設計

・樹液や木くずが詰まりにくい刃形状

・狭い場所や不安定な姿勢でも力が伝わりやすい構造

といった特徴があります。

木工用ののこぎりを剪定作業に流用すると、切断抵抗が大きくなり作業効率が落ちるだけでなく、目詰まりや刃こぼれなど、のこぎり自体を傷める原因にもなります。

そのため、庭木の手入れや果樹の剪定などでは、用途に合った園芸・剪定用のこぎりを選ぶことが重要です。

 

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切る方向による のこぎり刃の種類【基礎知識】

 

ここからは、DIY・家庭作業であっても必ず理解しておきたい、のこぎりの刃の基本構造について解説します。

「縦挽き」「横挽き」という言葉は、建築や大工仕事の専門用語のように感じられがちですが、実際には のこぎりが木をどのように切断しているかを表す、ごく基本的な分類です。

この仕組みを知っているかどうかで、

・切れ味の感じ方

・作業のしやすさ

・切断面の仕上がり

が大きく変わってきます。

縦挽き用の刃とは

縦挽き用の刃は、木目(繊維の流れ)に沿って木材を切るための刃です。

木の繊維を断ち切るのではなく、繊維に沿って裂き進めるように切るため、板材を長さ方向に切る作業などで効率よく切断できるという特徴があります。

横挽き用の刃とは

横挽き用の刃は、木目(繊維の流れ)を直角に断ち切るために設計された刃です。

一本一本の繊維を確実に切断する構造のため、切断面が比較的きれいに仕上がりやすいという特徴があります。

縦挽き・横挽き兼用の刃

縦挽き・横挽き兼用の刃は、両方の特性をバランスよく持たせた汎用性の高い刃です。

作業内容を細かく限定せずに使えるため、DIYや家庭作業では最も一般的に使われています。

 

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刃の形状・構造による のこぎりの種類

 

※ ここでは「選び方」ではなく、構造の違いを整理します。

 

ここまでは、用途や切る素材といった使い方の視点から、のこぎりの種類を見てきました。

ここでは一段視点を変えて、のこぎりそのものの刃の形状や構造による違いを整理していきます。

刃の付き方や折りたたみ構造などは、見た目の違いだけでなく、

・作業中の扱いやすさ

・持ち運びのしやすさ

・安全性や保管性

にも大きく関わる重要なポイントです。

一見すると細かな違いに思えるかもしれませんが、この構造の違いを理解しておくことで、
「なぜこののこぎりは使いやすいのか」「なぜ用途が分かれるのか」が、よりはっきり見えてきます。

用途別・素材別の理解を土台に、もう一段だけ踏み込んで、のこぎりの構造を見ていきましょう。

両刃のこ・片刃のこの違い

のこぎりは、刃の付き方によって
両刃のこと片刃のこに分けられますが、
この違いは単なる「初心者向け・プロ向け」といった単純な区分ではありません。

・両刃のこ

両刃のこは、1本ののこぎりに性質の異なる刃を左右に備えた構造を持っています。

一般的には、

・片側が縦挽きに適した刃

・もう片側が横挽きに適した刃

というように、それぞれが専門性を持った刃構成になっています。

このため両刃のこは、
「万能」というよりも、複数の専門的な刃を1本に集約した道具と考える方が実態に近いと言えます。

実際の販売や使用状況を見ると、

・大工道具専門店

・金物店

・職人向けの工具を扱う販売店

などで多く取り扱われており、現場で作業内容に応じて刃を使い分けたい大工や職人に長く使われてきた構造です。

・片刃のこ

一方で片刃のこは、刃の役割を一つに絞り、分かりやすさと扱いやすさを重視した構造です。

近年では、

・横挽き専用

・縦挽き専用

・精密加工向け

といった用途が明確に表示され、替刃式が主流になっています。

この構造により、

・ホームセンターなどで選びやすい

・初心者でも用途を間違えにくい

・刃が傷んでも交換しやすい

といったメリットがあり、一般の方だけでなく、大工や職人にも広く使われる存在になっています。

両刃のこ・片刃のこの現在の使い分け

現在では、

・複数の専門的な刃を1本で使い分けたい場合 → 両刃のこ

・用途を明確にして、分かりやすく使いたい場合 → 片刃のこ(替刃式)

というように、作業スタイルや購入環境によって選ばれているのが実情です。

どちらが優れているという話ではなく、
「どう使われ、どう売られているか」を理解した上で選ぶことが重要だと言えます。

替刃式と一体型の違い

のこぎりは、刃の交換方法によって
「替刃式」と「一体型」の2つに分けられます。
この違いは、切れ味だけでなく、使い方・管理方法・選ばれ方に大きく関わっています。

・替刃式のこぎり

替刃式のこぎりは、切れ味が落ちた際に、刃だけを交換できる構造が特徴です。

近年では、

・ホームセンターで入手しやすい

・用途別の刃が分かりやすく表示されている

・刃の交換が簡単で、研ぎの知識が不要

といった理由から、DIY用途だけでなく、現場作業でも主流になっています。

また、

・作業内容に応じて刃を使い分けられる

・切れ味を常に一定に保ちやすい

という点から、効率や安定性を重視する大工・職人にも広く使われている構造です。

「切れなくなったら交換する」という考え方は、現代の作業環境に合った、非常に合理的なのこぎりと言えます。

・一体型のこぎり

一体型のこぎりは、刃と柄が固定された、研ぎ直しを前提とした伝統的な構造ののこぎりです。

本来このタイプは、

・刃の研ぎ方によって切れ味を調整できる

・適切に手入れすれば長く使い続けられる

・使い手の技量がそのまま道具の性能に反映される

といった特徴があり、刃物の扱いに慣れた職人を中心に使われてきた道具です。

しかし現在では、

・のこぎりは替刃式が主流になっている

・刃を適切に研磨できる人や環境が減っている

・作業効率や管理のしやすさが重視されるようになった

といった背景から、一体型のこぎりを日常的に使う人は少なくなってきているのが実情です。

研ぎには、

・専用の道具

・正しい知識

・ある程度の経験

が必要になるため、切れ味が落ちた際に
「自分でどう手入れすればいいか分からない」
「結果的に使わなくなる」
というケースも少なくありません。

そのため現在では、一体型のこぎりは、

・道具を自分で育てたい人

・研ぎを含めて道具管理を楽しめる人

・特定の作業や好みに合わせて使いたい人

といった、明確な目的や嗜好を持つ人に選ばれる存在になっています。

現在の使い分けの考え方

現在ののこぎり選びでは、替刃式が事実上の主流となっています。

・手軽に入手できる

・切れ味を維持しやすい

・研ぎの知識や設備が不要

といった理由から、DIY・家庭作業はもちろん、大工や職人の現場でも替刃式が広く使われているのが実情です。

一方で一体型のこぎりは、

・刃を研ぐ技術や環境が必要

・維持管理に手間がかかる

といった点から、現在では 積極的に選ばれる人が限られる道具になっています。

そのため、

・扱いやすさ・効率・安定性を重視する場合 → 替刃式

・研ぎを含めて道具を使い込むこと自体を楽しみたい場合 → 一体型

というように、作業目的だけでなく、道具との付き合い方によって選ばれる構造だと言えるでしょう。

どちらが優れているかではなく、
「今の作業環境と、自分がどこまで道具に手をかけられるか」
を基準に選ぶことが、現実的なのこぎり選びにつながります。

目立ての違い

のこぎりの刃は、歯の大きさや間隔(目立て)によって、荒目・万能目・細目といった種類に分けられます。

この目立ての違いは、

・切断スピード

・切断時の軽さ

・切断面の仕上がり

といった作業感に影響する要素です。

ここでは、それぞれの目立てを細かく使い分けるのではなく、
「どのような方向性の違いがあるのか」という整理にとどめます。

目立て選びの考え方

目立ては、
「早く切ることを重視するか」
「仕上がりの美しさを重視するか」
という軸で考えると、全体像が把握しやすくなります。

・切断効率を重視する目立て

・バランスを重視する目立て

・仕上がりを重視する目立て

といった違いがあり、作業内容や求める結果によって
適した目立てが変わってきます。

具体的な使い分けや選び方については、それぞれの目立てをテーマにした記事で詳しく解説します。

 

※ 縦挽き・横挽きの違いや、目立てごとの詳しい特徴については、別記事で実例を交えて詳しく解説しています。
ここでは全体像を把握するための整理にとどめています。

 

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まとめ|のこぎりの種類は「整理して考える」と迷わない

 

のこぎりは種類が多く、最初は「何を基準に選べばいいのか分からない道具」に見えがちです。

ですが実際には、すべてを覚える必要はありません。

のこぎりの違いは、次の3つの視点で整理すると、無理なく理解できます。

・どんな作業で使うのか(用途)

・木をどう切っているのか(縦挽き・横挽きと刃の働き)

・どんな構造・仕組みになっているのか(両刃・片刃、替刃式など)

この3点を押さえるだけで、
「なぜ種類が分かれているのか」
「なぜこののこぎりが選ばれているのか」
が、自然と見えてきます。

そのうえで、

・自分がよく行う作業

・重視したいポイント(効率・仕上がり・扱いやすさ)

を照らし合わせていけば、必要以上に迷うことなく、自分に合ったのこぎりを選べるようになります。

このあと紹介する
用途別・素材別・刃の構造別の記事は、それぞれの視点をさらに深掘りするためのものです。

全体像をつかんだ状態で読み進めることで、
「種類が多い」から「違いが分かる」へ。
のこぎり選びが、ぐっとシンプルになるはずです。

それぞれの記事は、このページで整理した視点をもとに、具体的な選び方や違いを詳しく解説しています。

▶ 次に読むおすすめ記事

・用途別|のこぎりの種類と選び方

・切る素材別に見る のこぎりの種類

・刃の形状・構造による のこぎりの種類

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