切れ味の落ちたカッターを前にして、「刃を折るのが怖い」「折った刃はどこに捨てればいいのか」と手が止まることはないでしょうか。答えを先にまとめ、そのあと折り方・入れ替え・捨て方の順に説明します。道具の名前には短い説明を添えます。
| 場面 | やること | やらないこと |
|---|---|---|
| 刃先を折る | 刃折り器か本体の折り具を使う。折り筋1本分だけ出す | 手で折る。折れないときに力を足す |
| 刃を入れ替える | 対応する替刃を用意し、ロックを外す→古い刃を抜く→新しい刃を入れる→ロックをかける | ロックを外さずに引き抜く。向きを確かめずに入れる |
| 使い終わった刃を捨てる | 紙や厚紙で包み、「危険」と表示して自治体の区分で出す | むき出しのままごみ袋に入れる |
刃を交換するタイミング
以下で「刃を交換する」というときは、折れ刃式なら先端を折って新しい刃先を出すこと、刃を丸ごと交換するタイプなら刃を1枚入れ替えることを指します。どちらの場合も、合図は同じ3つです。
切れ味の合図は3つ
同じ紙や段ボールを切っていて、前より引っかかりを感じるようになったとき。
切り口がけば立つ、紙の端がめくれる、まっすぐ切ったつもりが波打つ。
以前は軽く引けていたのに、押さえつけないと切れなくなった。
3つのうち1つでも当てはまれば、刃を交換する時期です。刃はまだ残っているのに切れないときは、いま使っている刃先が摩耗している可能性があります。切れない刃を押し込むように使うと、刃が材料の上を滑って手のほうへ流れることがあり、新しい刃先に替えるほうがけがのもとを減らせます。
折れ刃式は「折る」、刃を丸ごと交換するタイプは「替える」
替刃には、先端を折って使い進める折れ刃式と、折らずに刃全体を入れ替える「刃を丸ごと交換するタイプ」があります。本体は幅などの条件が合えばどちらの刃も取り付けられ、家庭やDIYでは折れ刃式が広く使われています。替刃の分類はカッターの刃の種類で説明しています。
折れ刃式なら、合図が出たら先端を1つ折ります。折り筋(刃を折るときの目印になる斜めの筋)が残っていれば、次の刃先を出して使い続けられます。折り筋を使い切ったら、刃を1本まるごと入れ替えます。刃を丸ごと交換するタイプは、合図が出た時点で刃を1枚入れ替えます。なお、黒刃(切れ味を重視した刃)を使っている方には、当店では、刃先の状態をこまめに見ながら使うことをご案内しています。
そうなる前に、当店では、手で折らずに道具を使う折り方をご案内しています。道具を使えば、折った刃が飛ぶ心配も、折った刃の置き場に困ることも減ります。
折れ刃式の刃の折り方
折れ刃式の刃は、折り筋のところで折れるように作られています。ただ、折り方の細かいところは本体やメーカーによって違うため、ここでは「どの道具を使うか」と「折る前に確かめること」を中心にまとめます。手順の細部は、お使いの本体の説明書に従ってください。
刃折り器を使う
刃折り器は、刃を差し込んで折るための道具で、折った刃がそのまま中にたまる容器を兼ねています。文具や工具の売り場で扱われていて、折るたびに刃の置き場に困らないのが利点です。
使い方は、本体の刃を折り筋1本分だけ出し、刃折り器の差し込み口に刃を入れて、道具の案内どおりの向きに折ります。折れた刃は容器の中に落ち、たまったら容器ごと、あとで説明する捨て方で出します。
本体に付いている折り具を使う
折れ刃式のカッターには、本体の後ろ側(刃の反対側)に刃を折るための溝や、取り外して使うクリップ状の折り具が付いているものがあります。刃折り器が手元に無いときは、こちらを使います。
本体の折り具も、使い方は刃折り器と同じ考え方です。刃を折り筋1本分だけ出し、折り具の溝に刃先を差し込んで、説明書に書かれた向きに折ります。折り具を使った場合は折れた刃が手元に残るので、あらかじめ受け皿になる容器や厚紙を用意しておきます。
折る前に確かめること
刃は折り筋1本分だけ出します。長く出すと折れる位置が定まりにくくなり、刃がたわみます。
折り筋の入っている面がどちらかを見て、どちらに折るかは本体の説明書の案内に従います。
刃を出したあと、ロック(刃を固定するつまみやネジ)がかかっているかを見ます。
折り筋のところで折れないときは、出す長さと向きを見直します。それでも折れないときは、力を足して折ろうとせず、刃を1本まるごと入れ替えるほうが無理がありません。刃の折り筋がつぶれていたり、刃が本体に合っていなかったりする可能性があるためです。
刃の交換手順
この章は、折り筋を使い切ったとき、折れなくなったとき、刃を丸ごと交換するタイプを使っているときに読む部分です。先端を折って使い続けている間は、読み飛ばして構いません。
刃を1本まるごと入れ替える手順は、本体のロックの仕組みで少し変わります。つまみをスライドさせて止めるものと、ネジを回して締めるものが代表的で、どちらも「ロックを外す→古い刃を抜く→新しい刃を入れる→ロックをかける」という流れは同じです。細かい動かし方は、本体の説明書か、メーカーが公開している案内で確かめてください。
交換の前に用意するもの
本体のメーカー名と型番を確かめ、そのメーカーが対応品として案内している替刃から選びます。
抜いた古い刃を置く容器か厚紙。抜いてすぐ、むき出しのまま机に置かないためです。
刃の向きや溝を目で確かめられる場所で行います。
替刃の幅や厚みが本体に合わないと、入らなかったり、入っても送りが安定しなかったりします。冨木金物商店では、本体と刃を同じメーカーで揃えて使うことをおすすめしています。なお、メーカーが違っても使えないわけではありませんが、刃が送れなくなったり、ブレたりする可能性が高くなります。替刃の見分け方はカッター替刃の選び方にまとめています。
折れ刃式の刃を1本まるごと入れ替える
折り筋を使い切った刃、または折れなくなった刃は、次の順で入れ替えます。
- ロックを外す。つまみを緩めるか、ネジを回して、刃の固定を解きます
- 古い刃を抜く。刃を送るつまみごと引き出す本体と、刃だけを引き抜く本体があります。刃先に触れないように、受け皿の上で抜きます
- 新しい刃を入れる。ケースから1枚をスライドさせて取り出し、折り筋の見える面が本体の説明書と同じ向きになるように、溝に沿って差し込みます。逆向きに入れると、刃が送れないことがあります
- ロックをかける。刃を1目盛り出して、動かないことを確かめます
新しい刃を入れるときに、替刃のケースの残りも見ておきます。最後の1枚を使い始めたら、次のパッケージを用意する時期です。
刃を丸ごと交換するタイプの刃を替える
折り筋の無い1枚刃を使うタイプは、切れ味が落ちた時点で刃を1枚入れ替えます。手順は折れ刃式と同じで、ロックを外す→古い刃を抜く→新しい刃を入れる→ロックをかける、の順です。刃の形が本体の溝に合っているか、刃先がどちらを向くかが説明書どおりかを、入れる前に確かめます。
このタイプの刃は、切れ味が落ちても折って使い進めることができません。交換した古い刃は、折れ刃式の折った刃と同じ扱いで、受け皿に置いてから、捨て方の章の手順で処分します。
新しい刃を入れたあとの確認
刃を1目盛りずつ出し入れして、引っかかりなく動くか。
ロックをかけた状態で刃を軽く押し、動かないか。
刃先の斜めが説明書の図と同じ向きか。折れ刃式は折り筋が見える面が合っているか。
3つのうち1つでも引っかかるときは、無理に押し込まず、いったん刃を抜いて入れ直します。本体の使い込み具合など状態によっては、対応する替刃でも、入りにくかったり送りにくかったりすることがあります。幅や型番が合っているのにうまく使えないときは、本体の型番をもう一度確認してください。店頭にお持ちいただければ、一緒に確かめます。
使い終わった刃の捨て方
刃を交換すると、折った刃先や、抜いた古い刃が手元に残ります。小さくても刃物です。ここでは「ためる」「包んで表示する」「自治体の区分で出す」の3段階に分けます。
ためる
折るたびにごみ袋へ入れるのではなく、まず1か所にためます。刃折り器を使っていれば、その中にたまります。本体の折り具で折った刃や、入れ替えた古い刃は、ふたの閉まる空き容器(空き缶や、厚手のプラスチックの容器)か、替刃が入っていたケースに入れておきます。
たまった刃をむき出しのまま机に置いたり、紙くずと一緒に捨てたりすると、家族や片付ける人が手を切る原因になります。ためる場所を先に決めておくと、置き忘れが減ります。
包んで表示する
出すときは、刃を紙や厚紙で包み、テープで留めて、外から「危険」と分かるように書きます。刃折り器の容器ごと出したいときは、容器の材質によって刃物と同じ区分で出せない自治体があるため、出す前に自治体の案内で確かめます。包み方の細かい指定(袋の色や書き方)も自治体によって違います。
出し方は自治体の区分に従う
刃物をどの区分で出すかは、自治体ごとに違います。
金沢市の案内では、「刃物は刃を紙で包み、『危険』と表示してください」とされています(金沢市公式サイト「金属・小型家電類(燃やさないごみ)月1回収集」、2026年9月22日確認)。収集日は地区によって違うので、お住まいの地区の日程を見て出します。
金沢市以外にお住まいの方や、時間が経ってから出す方は、お住まいの自治体の区分をご確認ください。同じ刃物でも、金属類として集める地域と、別の区分にしている地域があります。
折った刃は、刃折り器か専用のケースを置き場に決めておくと探さずに済みます。ためる場所が1つなら、出すときも、そこから取り出して包むだけで済みます。
刃を扱うときに気をつけること
折る・替える・捨てる、それぞれの手順に共通する注意点をまとめます。どれも特別な道具は要りません。刃をしまう・ケースの出し入れに気をつける・置き場所を決める、の3つが軸です。本体の説明書にある注意書きと重なる項目もありますが、こちらは家庭で使う場面に絞って並べています。次の6つを、作業を始める前に一度見ておいてください。
作業が終わるたびに、刃を本体の中まで戻します。机に置いたままにしない。
切るときの長さの目安は、別記事「カッターの正しい切り方」でまとめる予定です。
ケースの中の替刃は、刃の保護と保存のための油で、何枚かがひとまとまりになっています。そこから1枚をつかみ取ろうとすると、指や手を切るおそれがあります。1枚をスライドさせて取り出すのがこつです。
使う場所へ持って行くときは刃をしまい、ケースや箱に入れ、作業が終わったらしまいます。
替刃のケースと、折った刃をためた容器も同じ扱いにします。
本体をお持ちいただく場合、刃を最後までしまってから、袋や箱に入れてお持ちください。
刃を出したまま置いたカッターは、手を伸ばしたときに指に当たります。作業の合間でも、いったん手を離すときは刃をしまう習慣をつけておくと、家族がいる場所での作業でも落ち着いて使えます。
交換・折り方・捨て方のまとめ
ここまでの内容を、手順の順番に並べ直します。迷ったときは、この一覧から当てはまる項目を探し、その章の説明を読み直してください。
切れ味が落ちた・切断面が荒れてきた・力が必要になった。1つでも当てはまれば交換する。
刃折り器か本体の折り具を使い、折り筋1本分だけ出して説明書どおりに。手で折らない。
出す長さと向きを見直し、それでも折れなければ刃を1本入れ替える。
ロックを外す→古い刃を抜く→新しい刃を入れる→ロックをかける。替刃は本体の型番に対応するもの。
引っかかるときは無理に押し込まず、入れ直す。
1か所にためて、紙や厚紙で包み「危険」と表示し、お住まいの自治体の区分で出す。
カッター本体の選び方はカッターの選び方、本体の種類はカッターの種類と特徴、最初の1本や買い替えは用途別のおすすめカッターでご紹介しています。切るときの刃の出し方や定規の当て方は、別記事「カッターの正しい切り方」でまとめる予定です。
お問い合わせ
刃が折れない、替刃が入らない、といったときは、本体の型番を控えるか、刃をしまった本体を袋や箱に入れてお持ちください。店頭で一緒に確かめます。用途に合う道具や金物が分からないときは、お気軽にご相談ください。
