切る素材別に見る のこぎりの種類|木材・金属・プラスチックごとに解説

のこぎりにはさまざまな種類がありますが、実際に選ぶときに分かりやすい基準の一つが「切る素材」です。
同じ「のこぎり」であっても、
・木材を切るのか
・金属を切るのか
・プラスチックや塩ビを切るのか
といった素材の違いによって、適した刃の形状や構造は大きく異なります。
例えば、DIYで木材を切るつもりで購入したのこぎりでも、いざ別の素材を切ろうとすると「思うように切れない」と感じることがあります。
これは、のこぎりが素材ごとに最適化されているためです。
見た目が似ているのこぎりでも、素材に合っていないものを使ってしまうと
・うまく切れない
・刃がすぐに傷む
・作業効率が大きく落ちる
といったトラブルにつながることも少なくありません。
そのため、のこぎりを選ぶ際は「用途」だけでなく、「どんな素材を切るのか」という視点で考えることが重要です。
この記事では、のこぎりの種類を「切る素材」という視点から整理し、
・木材(乾燥木材・生木)
・金属
・プラスチック・塩ビ
・石膏ボード・建材
といった代表的な素材ごとに、それぞれ適したのこぎりの特徴を分かりやすく解説します。
なお、のこぎりの種類は素材だけでなく、刃の仕組みや構造によっても分類されます。
全体像を整理したい方は、
のこぎりの種類を完全整理した全体ガイド
もあわせて確認してみてください。
のこぎりは素材によって最適な刃が異なる
のこぎりの性能は「刃の形状」によって大きく左右されます。
そしてその刃は、
・柔らかい素材か(木材・プラスチックなど)
・硬い素材か(金属など)
・繊維があるか(木材)
といった素材の性質に合わせて設計されています。
これは、素材ごとに「切り方そのもの」が異なるためです。
たとえば、
・木材 → 繊維を断つように切る
・金属 → 表面を少しずつ削るように切る
・プラスチック → 割れや溶けを防ぎながら切る
といったように、それぞれ求められる切断の仕組みがまったく違います。
そのため、のこぎりの刃も
・刃の大きさ(目の粗さ)
・刃の角度
・刃の厚み
といった要素が素材ごとに最適化されています。
のこぎりの刃の仕組みや構造について詳しく知りたい方は、
刃の形状・構造による のこぎりの種類
もあわせて確認してみてください。
見た目が似ているのこぎりでも、これらの違いによって切れ味や使い勝手は大きく変わります。
例えば、木材用ののこぎりで金属を切ろうとすると刃がすぐに傷んでしまったり、逆に金属用の細かい刃で木材を切ると作業に時間がかかることがあります。
このように、素材に合っていないのこぎりを使うと
・切れにくい
・作業効率が落ちる
・刃を傷めやすい
といった問題につながります。
そのため、素材に合ったのこぎりを選ぶことが、作業効率や仕上がりを大きく左右する重要なポイントになります。
木材を切るためののこぎり

木材は、のこぎりで最も一般的に切断される素材ですが、実は「同じ木材」でも性質によって適したのこぎりは大きく異なります。
特に重要なのが、
・乾燥した木材(建材・DIY用木材)
・水分を多く含んだ生木(剪定・伐採)
という違いです。
この2つは見た目こそ似ていますが、切断時の抵抗や刃への影響が大きく異なります。
乾燥した木材は繊維が安定しているため、比較的スムーズに切断でき、精度や仕上がりが重視されます。
一方で、生木は水分を多く含んでおり、刃にヤニや水分が付着しやすく、切断時の抵抗も大きくなります。
そのため、それぞれに適したのこぎりの特徴も異なり、
・乾燥木材 → 精度・仕上がり・用途に応じた切り分け
・生木 → 刃詰まりを防ぐ・スムーズな切断
といった違いがあります。
この違いを理解していないと、
・切れにくい
・刃が詰まる
・作業効率が落ちる
といった問題につながることがあります。
木材用ののこぎりを選ぶ際は、「木材だから同じ」と考えるのではなく、乾燥材か生木かという違いも意識することが重要です。
乾燥した木材(DIY・建築用)
DIYや建築で使われる乾燥木材は、寸法や仕上がりの精度が求められることが多く、切断の正確さや安定した切り心地が重要になります。
このような木材では、
・繊維に沿って切る(縦引き)
・繊維を断つ(横引き)
といった切り方によって、求められる刃の働きが異なります。
そのため木工用ののこぎりは、
・切断スピード
・切断面のきれいさ
・用途に応じた刃の使い分け
といった点が重視され、作業内容に合わせて適した種類が選ばれます。
例えば、
・木材を効率よく切断したい場合
・寸法どおりに正確に加工したい場合
・仕上がりをきれいに整えたい場合
など、それぞれの目的によって適したのこぎりは変わります。
代表的なものとしては、
・両刃のこぎり(縦引き・横引きを使い分ける)
・替刃式のこぎり(扱いやすく汎用性が高い)
・胴付きのこぎり(精密な加工や仕上げ)
などがあり、用途に応じて使い分けられます。
このように乾燥木材では、「どのように切るか」によって最適なのこぎりが変わるのが特徴です。
※木材用ののこぎりの種類や特徴については、以下の記事で詳しく解説しています。
▶ 木工用のこぎりの種類
生木(剪定・伐採)
庭木の剪定や伐採で扱う生木は、水分を多く含んでおり、乾燥木材とはまったく異なる性質を持っています。
特に生木は、
・水分やヤニが多く刃に付着しやすい
・繊維がしなやかで切断時の抵抗が大きい
・枝が曲がっていたり不規則な形状をしている
といった特徴があり、乾燥木材のようにスムーズに切断できない場合があります。
そのため剪定用ののこぎりには、
・刃が詰まりにくい目立て(ヤニ・水分対策)
・枝に当てやすいカーブ形状
・引っかかりを減らしスムーズに切れる刃
といった、生木の特性に合わせた設計が採用されています。
例えば、カーブした刃は枝に自然にフィットしやすく、力をかけやすいため、効率よく切断できるというメリットがあります。
また、生木は切断時に刃へ負担がかかりやすいため、スムーズに切れる構造であることが作業効率や道具の寿命にも大きく関わります。
木工用ののこぎりで生木を切ろうとすると、
・刃が詰まりやすい
・思うように切れない
・刃を傷めやすい
といった問題が起こることがあります。
このように、生木の切断には専用の設計が必要になるため、乾燥木材とは用途を分けて考えることが重要です。
※剪定用ののこぎりの種類や特徴については、以下の記事で詳しく解説しています。
▶ 剪定用のこぎりの種類
金属を切るためののこぎり

金属は木材と比べて非常に硬く、繊維を断つのではなく「削り取る」ように切断する必要があるため、専用ののこぎりが使われます。
代表的なのが「金切りのこぎり」です。
金属を切る場合は、
・非常に細かい刃(細目)
・削るように少しずつ切断する
・強い力をかけすぎず一定のリズムで動かす
といった特徴があります。
木材用ののこぎりのように一気に切断するのではなく、刃先で少しずつ金属を削りながら切り進めるのが基本です。
そのため金属用ののこぎりは、
・刃が細かく欠けにくい構造
・直線的に安定して動かしやすいフレーム形状
・用途に応じて交換できる替刃式
といった特徴を持つものが多くなっています。
また、金属は種類や厚みによって切りやすさが大きく異なるため、
・薄い金属板
・パイプや棒材
・硬い金属素材
といった対象に応じて、刃の細かさ(目の粗さ)を選ぶことも重要なポイントです。
木材用ののこぎりで金属を切ろうとすると、
・刃がすぐに傷む
・引っかかってうまく切れない
といった問題が起こるため、用途を分けて考える必要があります。
このように金属の切断では、「力で切る」のではなく「刃で削る」という考え方が重要になります。
※金属用ののこぎりの種類や特徴については、以下の記事で詳しく解説しています。
▶ 金切りのこぎりの種類
プラスチック・塩ビを切るためののこぎり

プラスチックや塩ビ管などの素材も、日常的にのこぎりで切断されることがあります。
これらの素材は木材よりも柔らかい一方で、
・割れやすい
・摩擦によって溶けやすい
・切断時にバリ(ささくれ)が出やすい
といった特徴があります。
一見すると切りやすそうに見えますが、実際には切り方や刃の選び方によって仕上がりや作業性に大きな差が出やすい素材です。
そのためプラスチックや塩ビ用ののこぎりでは、
・細かめの刃で割れや欠けを防ぐ
・摩擦を抑えて熱が発生しにくい切断
・引っかかりが少なくスムーズに動く刃
といった点が重視されます。
例えば刃が粗すぎるとのこぎりが引っかかって素材が割れてしまったり、逆に摩擦が大きいと切断面が溶けてしまうことがあります。
用途によっては木工用ののこぎりで代用できる場合もありますが、
・きれいに仕上げたい場合
・塩ビ管などを正確にカットしたい場合
には、専用ののこぎりを使うことで作業の安定性が大きく変わります。
このようにプラスチックや塩ビの切断では、「柔らかいから簡単」と考えるのではなく、素材特有の性質に合わせた刃を選ぶことが重要です。
※塩ビ・プラスチック用ののこぎりの種類や特徴については、以下の記事で詳しく解説しています。
▶ 塩ビ管用のこぎりの種類
石膏ボード・建材を切るためののこぎり

住宅の内装などで使われる石膏ボードや軽量建材も、専用ののこぎりが使われる素材の一つです。
これらの素材は比較的柔らかく、木材のように繊維があるわけでも金属のように硬いわけでもありませんが、
・粉が出やすい
・崩れやすく欠けやすい
・部分的な加工(穴あけ・くり抜き)が多い
といった特徴があります。
そのため、単純に「切断する」というよりも、
・必要な部分だけを切り抜く
・狭い範囲で加工する
・既に設置された状態で加工する
といった作業が多くなります。
このような用途に対応するため、石膏ボード用ののこぎりには、
・先端が尖っており、そのまま差し込んで切り始められる構造
・小回りがききやすいコンパクトなサイズ
・比較的荒めの刃でスムーズに切り進められる設計
といった特徴があります。
例えば、コンセントや配線用の穴を開ける場合は、刃先をボードに突き刺してから内部を切り抜くように加工することができます。
このような作業は一般的な木工用ののこぎりでは行いにくく、無理に使うと割れや欠けの原因になることがあります。
そのため石膏ボードや軽量建材の加工では、「切断」だけでなく「部分的な加工のしやすさ」を重視した専用ののこぎりを選ぶことが重要です。
※石膏ボード用ののこぎりの種類や特徴については、以下の記事で詳しく解説しています。
▶ 石膏ボード用のこぎりの種類
素材ごとに適したのこぎりを選ぶことが重要
ここまで見てきたように、のこぎりは素材によって適した種類が大きく異なります。
同じ「切る」という作業でも、
・木材 → 繊維を断つように切る
・金属 → 表面を削るように切る
・プラスチック → 割れや溶けを防ぎながら切る
・石膏ボード → 必要な部分をくり抜くように加工する
といったように、素材ごとに求められる切断の考え方そのものが異なります。
この違いに応じて、
・刃の粗さ(目の大きさ)
・刃の形状や角度
・のこぎり本体の構造
といった要素もそれぞれ最適化されています。
そのため、「同じのこぎりで何でも切れる」と考えてしまうと、
・切れにくい
・仕上がりが悪くなる
・刃を傷めやすい
といった問題につながります。
のこぎりを選ぶ際は、「用途」だけでなく「素材」によっても適した種類が変わるという点を理解しておくことが重要です。
なお、用途ごとの違いからのこぎりを整理したい場合は、
用途別に見るのこぎりの種類
もあわせて参考にしてみてください。
まとめ|のこぎりは素材から考えると選びやすい
のこぎりを選ぶ際は、「用途」だけでなく「切る素材」という視点から考えることで、自分に合った種類が分かりやすくなります。
今回紹介したように、素材ごとに適したのこぎりは次のように分かれます。
・木材(乾燥木材・生木) → 繊維を断つ・抵抗に対応する
・金属 → 削るように切る
・プラスチック・塩ビ → 割れや溶けを防ぐ
・石膏ボード・建材 → 必要な部分をくり抜く
それぞれの素材には異なる性質があり、それに合わせて刃の構造や形状も設計されています。
そのため、のこぎり選びでは「何をするか(用途)」だけでなく、「何を切るか(素材)」をあわせて考えることが重要です。
例えば、
・DIYで木材を切る → 木工用のこぎり
・庭木を剪定する → 剪定用のこぎり
・金属やパイプを切る → 金切りのこぎり
といったように、用途と素材を組み合わせることで、より適した道具が選びやすくなります。
なお、用途ごとの違いからのこぎりを整理したい場合は、
用途別に見るのこぎりの種類
もあわせて参考にしてみてください。
また、のこぎりの種類は「用途」「素材」「刃の仕組み」「構造」といった複数の視点で整理することができます。
全体像をまとめて確認したい方は、
のこぎりの種類を網羅的にまとめた全体ガイド
もあわせて確認してみてください。
具体的な選び方やおすすめを知りたい方は、各素材ごとの詳しい解説記事も参考にしてみてください。







