のこぎりの手入れにシリコンスプレーは使っていい?|おすすめしない理由と正しい代替方法
のこぎりの手入れ方法を調べていると、
「シリコンスプレーを使っても大丈夫なのか?」
と迷う方は少なくありません。
シリコンスプレーは、潤滑・防錆・撥水といった効果があり、家庭や作業現場でも使われることの多い定番アイテムです。
そのため、のこぎりにも使えるのではと考えるのは自然なことです。
ただし、のこぎりは刃物であり、木材を切るという特殊な環境で使う工具です。
他の金属製品と同じ感覚で手入れをすると、かえって切れ味や状態を悪化させてしまうこともあります。
この記事では、シリコンスプレーを使うべきかどうかを判断するための考え方に焦点を当て、
「使ってもいいのか」「なぜおすすめされにくいのか」を整理します。
具体的な手入れ方法や代替手段については別記事で解説し、本記事ではシリコンスプレーに限定した立ち位置をお伝えします。
まずは、なぜシリコンスプレーが「使えそう」に見えるのかから整理していきましょう。
のこぎりの手入れにシリコンスプレーを使う人が多い理由
では、なぜのこぎりの手入れにシリコンスプレーを使おうと考える人が多いのでしょうか。
理由はシンプルで、次のようなイメージを持たれやすいからです。
・家庭や作業場に常備していることが多い
・「金属にも使用可」と表記されている製品が多い
・潤滑・防錆・撥水と多用途に使える印象がある
そのため、
「刃の滑りが良くなりそう」「サビ防止になりそう」
と考えて使われがちですが、ここには少し注意が必要です。
結論|シリコンスプレーは使えなくはないが常用はおすすめしない
結論から言うと、
シリコンスプレーはのこぎりに使ってはいけないものではありません。
ただし、
・日常的な手入れ
・切れ味維持を目的としたメンテナンス
としては、積極的におすすめできる方法ではありません。
本記事では、
「なぜシリコンスプレーが最適解になりにくいのか」
という判断基準に絞って解説します。
シリコンスプレーがのこぎり向きではない3つの理由
① 木工環境と相性が良くない
シリコンスプレーは、表面に非常に薄い被膜を作ります。
一見サラッとしており、ベタつきは少ないのですが、
・木のヤニ
・細かい木粉
・切断時に発生する微粒子
といった木工特有の汚れが付着しやすいという側面があります。
結果として、
・刃が汚れやすくなる
・切れ味が落ちたと感じやすくなる
という状態を招きやすくなります。
② 刃の状態が把握しづらくなる
シリコン被膜があることで、
・摩耗の進行
・細かな刃こぼれ
・初期のサビ
といった刃の変化が分かりにくくなることがあります。
のこぎりは「切れなくなってから異変に気づく」工具です。
状態確認が遅れること自体が、寿命を縮める原因になります。
③ 刃物用途として設計された製品ではない
シリコンスプレーは本来、
・樹脂部品
・ゴム
・可動部の軽潤滑
を想定して作られた製品です。
刃物の切断性能維持や、木材切断環境を前提に設計されたものではありません。
そのため、のこぎりの手入れに使う場合は「代用」に近い位置づけになります。
結果として、実際の木工現場では
シリコンスプレーが常用されることは多くありません。
それでもシリコンスプレーを使うなら守るべき注意点
どうしても使う場合は、以下の点を意識してください。
・吹き付けたまま使わない
・必ずウエスなどで拭き取る
・使用は一時的・応急的にとどめる
「吹いて終わり」「切れ味対策として使う」使い方は避けるべきです。
常用前提で使うと、かえって状態悪化につながる可能性があります。
シリコンスプレーで解決しようとして失敗しやすいケース
よくあるのが、
切れ味が落ちた
→ 潤滑が足りない
→ シリコンスプレーを吹く
という判断です。
しかし実際には、
・切れ味低下の原因が汚れ
・もしくは刃の摩耗
であるケースが大半です。
原因を見誤ったままシリコンスプレーを使うと、問題は解決しません。
切れ味低下の原因ごとに対処法は異なるため、原因別の手入れ方法は別記事で詳しく解説しています。
シリコンスプレーの代わりに考えるべき視点
のこぎりの手入れで重要なのは、
・滑らせること
・潤滑すること
ではなく、
「刃の状態を正しく保つこと」です。
シリコンスプレーは、この本質的な管理から目をそらしてしまう可能性があります。
具体的な手入れ方法については、目的ごとに記事を分けて解説しています。
のこぎりの手入れでは、
「何を塗るか」より「なぜ使うのか」を考えることが重要です。
本記事ではシリコンスプレー単体の是非を解説しましたが、シリコンスプレー以外も含めて、のこぎりを錆びさせず切れ味を保つための正しい保管方法については、
【保存版】のこぎりの正しい保管方法|錆び・切れ味低下を防ぐ基本とNG例
で詳しく解説しています。
まとめ|シリコンスプレーは「知っておく判断材料」
・シリコンスプレーはのこぎりに使えなくはない
・ただし常用・切れ味対策としては不向き
・木工環境・刃物用途との相性を考える必要がある
・「なぜ使わない方がいいか」を理解することが大切
シリコンスプレーは、
「使う道具」ではなく「判断するために知っておく道具」
として位置づけるのが最適です。
本記事は、具体的な手順を解説する記事ではなく、
「シリコンスプレーを使うべきかどうか」を判断するための記事です。







